青灰色
ちょっと考察めいたもの
セフィーロの柱制度って、通常の代替わりはどのようになされるのでしょうか?
クレフはエメロード姫が生まれた時から見守っているそうなので、少なくとも一回は代替わりがあったはず。
またクレフの「試練の道を知るのは代々の柱のみ。」という言葉から、最高位の導師でさえも知らされることのない、秘匿事項だったようです。
何故、そこまでひた隠しにするのか?
まずは国防上の理由でしょうか。
「意思の力が強ければ、セフィーロ国外の人であっても柱になることができる」という事実がオートザム、チゼータ、ファーレンにダダ漏れとなってはいます。少しでも柱になるためのあれこれを隠しておきたかったのでしょうか。
もう一つは柱の選定で傷つく人を最小限にすることでしょうか。
三つの国が侵攻し、光たちが召喚される以前に、ランティスはセフィーロへ帰還しています。柱になりたいという強い意志を持ちながら。
ですが実際には国が崩壊寸前にも関わらずランティスがすぐに選ばれませんでした。あまつさえ3つの国の元首+異世界の少女と柱候補が乱立していきます。
最終的に光とイーグルが一騎打ちとして試練を受ける訳ですが、柱の選定は(原作では)複数名の候補がいて初めて行われるという条件があるのかもしれません。
で、創造主はご丁寧に予選落ちした他の候補者にまで選定から漏れた理由を告げています。侵攻目的でなく、本気でセフィーロを思う人だったらなかなか酷なことかもしれません。そして言わずもがな、柱に選ばれなかった方の候補は消滅する。
安易に「柱になりたい!」と思わせないような、何かしらの慣例というかタブー視させていた可能性があのではないでしょうか。
この秘密を守っていた、王家があるのではないかと思います。
エメロード姫が何故、エメロード『女王』ではないのか。
世襲制ではないにも関わらず、何故フェリオが『王子』とよばれていたのか。
エメロード姫とフェリオの両親のどちらかが、先代の柱だった。もしくは伝統的に、柱を一族の中から輩出する王家の「姫」「王子」の一人だった、と考えられます。
魔法騎士の伝承も、この王家にのみ伝わっていたと考えられます。
では、魔法騎士が召喚されない場合の代替わりは?という最初の問いに戻ります。
ちょっと自分が思い出したのが「聖剣伝説Legend of Mana」というRPGに出てくる珠魅の一族のお話です。
一族の長である玉石の座の姫は、自らの命と引き換えに一族を守るための結晶「涙石」を作り続けるのが責務です。その務めは百年。過酷な務めに耐える姿を見るに見かねて、姫を守るはずの騎士が姫をさらいパンドラの箱に閉じ込めてしまいます。
圧倒的多数の幸せのために、一人の幸せは犠牲になってもよいのか、という命題はかなり近いと思います。
で、話は元に戻りますが、セフィーロの柱も百年とか、五十年とか、一定の任期があったのではないでしょうか。
柱は自死ができない。であれば、不老長寿なセフィーロでは無期限に務めをしなくてはいけなくなります。そこである程度の年月が経った時、次代の柱となれるものの誕生を祈ることとします。そして現行の柱と、次代の柱の一騎打ちで試練を受ける。そうすれば、より強い力を持ったものへ、比較的スムーズに地位が移行できるのではないでしょうか。
クレフが「柱への道を知っているのは先代の柱たるエメロード姫だけ」と言ったのも、先々代の柱が既に亡くなっているからという可能性が考えられます。
魔法騎士は正規の手順を踏めない場合(次代の柱が育つまでの10年、20年も待てない位の恋や病気?)の最後の手段として存在するではないかと。
ただこの方式で問題があるのが、代を重ねるにつれ柱の「意思の力」がどんどん強くなることです。柱の消滅というリスクは減りますが、柱の心が不安定になった場合のリスクは高くなるわけです。
と、ここまで個人的な考察というか、妄想をつづってみました。
個人的には、王家とは無関係な庶民出身なクレフが若き日にいかに苦労したか、とか妄想するのも乙だと思います。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました・・・。

